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Photo by Tetsuro Ohashi (pic1-6) / Masayuki Oku (pic7-8)
遊び場の力学
paintings, 2017
日程:2017年11月4日(土) - 12月3日(日)
展示:月-木.日 13:00-23:00 / 金-土 13:00-24:00
会場:Cafe Hammock(東京都三鷹市下連雀3-22-15 2F)
企画:奥 誠之
大橋 鉄郎、奥 誠之、佐賀 建による3人展
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「ごあいさつ ~ 遊び場の力学によせて ~」
本展「遊び場の力学」にお越し下さり、ありがとうございます。ぼくはこの展示の企画者である奥 誠之と申します。
今回、この展示に参加してくれた 2 人は、日頃の関心も、制作の姿勢もてんでバラバラで、ぼくはそのことが面白くて、それをそのまま展示で形にしたいと考えました。
そこで考えたのが「遊び」と「公園」だった。なんとなく自由にはしゃいでいるイメージ。けどすぐに、遊びの盲点に気がついた。公園の入り口には、注意書きの看板に「ルールを守って遊びましょう」とある。そう、遊びには「ルール」が必要なんだ。
展覧会で遊ぶために 1 番手取り早いのは、3 人共通のルールを作ること。鬼ごっこでもしりとりでも、みんなが知ってる遊びなら初対面の人とも気軽に遊ぶことができる。でもそれだとアートの面白さは伝わらない。
実際アートの世界では、鬼ごっこでもしりとりでもなく、トランプゲームの「大富豪」が一番盛んに遊ばれている。みんな大まかなルールは共有しているけど、それぞれに「ご当地ルール」なるものが存在して、たとえば「8 切り」はいいとしても、「7 渡し」「10 捨て」「ゲキシバ」…と、僕の知らないルールを知ってる人たちが存在する。みんなのルールがバラバラなままだと遊べないから、始める前に話し合いでどのルールを採択するかを決める。展覧会を企画(参加)する際の多くの場合にはこの話し合いが行われる。これならアートの面白さは幾分か伝えられる。けれど、作品制作の面白さはどうか?( アートの世界で大富豪が盛んな理由に、下克上がある。という別の理由も存在する。)
作品制作は作者の数だけルールがある。驚くかもしれないが、ルールがない人さえいる。この名付けられない遊びの数々は、その純度を保ったままに、伝えられることはできないか。今回の企画はそうした試みをしようと思った。それで、今回は、公園でバラバラに遊んでる 3 人の子どもをイメージした。ジャングルジムによじ登る子ども、砂場で遊んでいる子ども、帰りの時間を気にしている子ども…。それぞれのルールで、公園にいる 3 人の子ども。誰に話かけたって、結構だ。余所から観察するだけでもいい。それに、大人の目でみれば(本当のことをいえば)ここはカフェだから、あなたはゆっくり休んでもいいし、別の遊びをし始めてもいいわけだ。そういうわけで、ここはカフェ兼公園。
あ、そうだ。遊びにはもう一つ重要な要素がある。それは「飽きる」ということだ。ずっとブランコに乗っていると、なんかつまんなくなって、砂場に行ってみる。そういうことは、誰でもあるでしょう? 今回の展覧会でも、僕たちは飽きたら別の遊びをしだすだろう。作品を展示する場所を変えたり、作品自体を変えてみたり。だから展覧会の会期中にもいろいろと変化すると思う。
これから楽しくなるはずだ。だから、遊びたくなったらいつでも来てよ。