遊びの記録③ 音に乗る
音楽の紹介もしていこうと思う。カフェでは、イベントなどで僕らが在廊しているときに限り、僕ら3人のプレイリストを流してもらった。 そもそも、ぼくがこの展示を企画するにあたって、音楽の人たちの"ノリ"にすごく影響を受けているから、カフェの音響に手をつけさせてもらうことはどうしてもやりたかったことの一つだった。 今年3月、ぼくの中学~高校時代の同級生の家をアトリエとして使わせてもらうことになった。この家にはすでに同級生のIくん以外にも3人がルームシェアをしていて、みんな仕事に就きながらもそれぞれバンド、映像制作、イラストレーションをしてたりする。彼らが時折僕のアトリエを覗いて、「(作品をみて)これいいね」とかそういうことを言ってくれることも刺激になったし、なんとなく発言するタイミングや言葉の感じが美術大学でのそれとは異なっていた。また、休日はIくんがやっているバンドのライブに行ってみんなで踊ったり騒いだりと休日を惜しみなく満喫する姿勢は、作品制作のことになると生真面目になってしまう僕にとっては新鮮だった。 ライブの頻度はぼくが作品発表をする頻度よりも圧


遊びの記録② 3人の話
本の紹介を続ける前に、まずこの展示の出展者3人を紹介をしておきたい。会場には僕が書いたご挨拶文と、3人の作品解説、作品リストを置いておいた。今回は展示風景の写真とそのテキストの一部を掲載します。


遊びの記録① 選んだものを見てもらう
この展示では、出展者3人の日頃の制作の糧となっているモノ(本や音楽)を紹介し、それらをぼくらの作品理解の手助けにしようと考えた。あるいはもっと単純に、これらの本や音楽を、カフェでのひと時を過ごす際の暇つぶし(こう言っては作者たちに失礼だが)にしてもらえたら、ぼくらの作品なんて素通りしたってよかったのだ。 そういうわけで、カフェの本棚には僕らのオススメの本を置かせてもらい、店内BGMには僕らが作ったプレイリストを流してもらった(いくつかの本には、読書感想文を挟んでおいた)。 これから何回かに分けて、それらのモノを紹介していこうと思う。まずは僕が本棚に置いたオススメ本を一冊。 ーーーー 『断片的なものの社会学』 著:岸政彦 朝日出版社 2015年
【感想文】 僕が絵を好きになった最初の動機は、その絵に描かれている人も、その絵を描いた人も、すでにこの世から存在していないのにもかかわらず、その絵に描かれた人はわたしを見て微笑みかけていて、さらにそれはその絵を描いた人の痕跡によるものだ、と気付いたことだった。
私たちがゴッホの自画像を観るとき、紛
これからつづく遊びの記録
三鷹のカフェ、Cafe Hammockで開催していた3人展「遊び場の力学」が無事終了しました。
気にかけてくださった、ありがとうございました。
初めての企画展で、できたこと、できなかったこと、思わずできてしまったこと、色々あって
来てくれた人の中でも、届いた人もいるけど届かなかった人もいるなとか、今は届かなくても仕方ないよなぁとか。
「やりたいことしかやらない」という決断のもと実行したものには、それ相応の対価が返ってくることを学んだ。
それでふと、高校の頃の学園祭で僕は実行委員(企画担当)をやっていたときのことを思い出した。
友達のバンドがステージのトリを飾っているときに雨が降りそうになってきて、PAの人から演奏を巻いてくれと頼まれたときのこと。 あのときぼくは、PAの言われたことをそのまま演奏中の友達に伝えて、演奏は1曲削られて終わった。
結局そのあと数十分雨は降らなくて、それでぼくは自分の決断をものすごく後悔したのだった。
だから今回、「なんでも好きにすればいいよ」と言ってくれたCafe Hammockのスタッフの方々に深