Photo by Ryusuke Yamai

Play Tag

mixed media on carpet,tracks,photos and texts, 2017

 本作は2017年7月に東京のOTA FINE ARTSで開催されたグループ展「Assistants」に出展したもの。家族と国立競技場の関係を扱った作品としては3作目となる。内容としては2014年に発表した「RUN (1924-1991)」を2017年現在の視点で改変したものになった。

 2014年に発表した「RUN (1924-1991)」は、オリンピックにまつわる騒動(ザハ・ハディドの問題やエンブレム問題)が起こる前に作られたもので、それらの騒動に関する公的な見解などは含まれない、すごくプライヴェートな作品だという点で私にとっては重要なものになった。その後、上記の騒動が沸き上り、私はこのテーマで制作をすることに消極的になっていたが、2017年初夏、すっかり更地となった国立競技場跡地を訪れたことで、本作「Play Tag」ができあがった。

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はじめてオリンピックに関連する作品を制作したのは2013年だった。祖父と父はスポーツスタジアムの施工会社に勤めていて、主に走路トラックの施工・開発をして陸上選手たちの記録を影で支えている。2013年9月に2020年のオリンピックを東京で開催することが決まってから、自分の父親がこの国家的な祭典に関わる可能性が現実的になって、私はふと、国に奉仕する父の姿を思い浮かべてみた。それは、戦争に赴く兵士のように、誇らしさと、なにか嫌な予感を同時に抱えた存在のようだった。 いま、国立競技場は一時の間だけ「空き地」になっている。そして東京の他の場所でも、2020年に新しい姿でいるために一時の「空き地」が増え続けていて、退屈で窮屈なこの都市を歩く私の心に、ほんのすこしだけ軽やかな感情が宿りはじめた。

(展示会場に記したテキストより)

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